症状・症例

ケース2

あるワンちゃんが歩き方がふらつくという状態でエルムスにいらっしゃいました。
歩行困難以外にも当初は頚部痛が強く、頭が上げられないほどの状況でした。
突然立てなくなった、うまく歩けなくなった場合ヘルニアを疑うことは多いのですが、立てないという症状は通常の腰のヘルニアだけでなく、首のヘルニアや骨折、脊髄の病気、脳の腫瘍など、あらゆることが考えられます。

私たちは症状を聞いたり、状態を見てある程度原因を把握しますが、
「たぶん」で薬を処方するわけにはいかないので、
まずは“しっかり検査をさせていただく”ところから始めています。
今回でいうと、MRI検査をしたところ首の脊髄に約0.7x0.8x2.4cmの白い塊(腫瘍を疑う所見)がありました。
悪性神経鞘腫という腫瘍で、手術では取りきることがほぼ不可能な腫瘍だったため、
手術により摘出後、大学病院での放射線治療と当院での免疫細胞療法を実施しました。
手術直後はまだ腫瘍組織が残っていましたが、その後約半年経った今も元気に歩いており、検査でも明らかな腫瘍の再発は見られません。

現在は免疫細胞療法のみ継続しています。
犬は言葉を話すことができませんので、検査と治療を徹底的に繰り返し行っていくことで、病気の正しい判断と解決策が導き出されるのです。