中型犬、8歳
胆嚢破裂の疑いで他院様よりご紹介いただきました。
もともと胆泥症があり、数ヶ月食欲不振の症状を繰り返していました。
血液検査にて肝臓の数値や炎症の数値が上がっている事と、わずかですが腹水の貯留がみられたため当院で精査・加療をすることになりました。
胆嚢のエコー画像
今回の病態としては、慢性胆嚢炎の繰り返し→胆嚢破裂という病態が疑われた為、開腹手術を行い原因となっている胆嚢の摘出を行いました。
手術時は、胆嚢周辺に慢性的な炎症所見である脂肪・腹壁などへの癒着が強く認められました。
また、胆嚢の壁が一部破れて胆汁がお腹の中に漏れ出ている状況も確認できました。
胆嚢周囲の癒着を丁寧に剥がし、胆嚢の全摘出と胆汁の排泄路である総胆管の洗浄、また胆汁の漏れたお腹の中の洗浄を入念に行い、手術を終了としました。
胆嚢疾患は、胆泥症/胆石症、胆嚢粘液嚢腫、胆嚢炎などが犬でよく起こる疾患ですが、その中でも特に胆嚢粘液嚢腫・胆嚢炎(慢性化)は破裂のリスクを伴います。
大切なペットの健康を守るために、病気の早期発見と予防は不可欠です。病状が進行してからではなく、元気なうちに定期的な健康診断やチェックを行い、必要な場合は予防的な治療を行う事が重要です。特に、胆嚢破裂後の手術では合併症のリスクも高まり、命の危険も伴う可能性があります。
当院では、最新の医療技術と経験豊富なスタッフが一丸となって、ペットの健康を全力でサポートいたします。