総合診療科
環椎・軸椎不安定症は第1頸椎(環椎)と第2頸椎(軸椎)の不安定、亜脱臼、脱臼などに関連して脊髄障害を起こす疾患です。頸部痛や神経症状を起こし、頸部椎間板ヘルニアなどと間違われやすい疾患になります。症状が重度になる前の早期の治療が将来を左右するため、なるべく早く適切な診断を行うことが重要です。
内科治療、外科治療に分けられます。
■内科治療(保存療法)
ケージレスト、ステロイドなどによる消炎治療、ブレースなどによる首の固定など。ただし、これらで不安定が改善することはなく進行する可能性も高いので、若齢で初回の急性発症の場合で手術を望まれない場合にのみ内科治療を選択します。
■外科治療
不安定の関節を外科的に固定して、脊髄の圧迫をなくすことで症状を改善させます。
通常はピン、スクリューと骨セメントによる腹側椎体固定術を行います。
(下側から骨を固定し安定させる方法)
手術に関連した予後が良い因子として以下が報告されています
1:患者が2歳以下である
2:症状が発現して10か月以内に治療を受ける
3:術前に患者が歩行可能
このことからも症状が認められた場合には進行する前に早めに外科治療を行うことが重要と言えます。