総合診療科
股関節の脱臼は犬猫で度々認められ、落下や事故などにより様々な方向に脱臼を起こします。
また、股関節形成不全や筋力の低下する疾患に併発する場合もあります。
股関節の状況や経過、再脱臼の有無などにより治療法を決めていく必要があります。
②外科治療
非観血的整復では脱臼を戻すのが難しい場合、再脱臼を起こしてしまう場合、変形性関節炎や骨折などを伴う場合などは手術による治療が必要となります。
大きく分けると温存的手術と救済的手術に分けられます。
③温存的手術
手術により関節を戻したのち、関節は温存したまま再脱臼を起こさないように固定を行います。
固定法は様々なものが存在し、関節包再建術やトグルピン法、創外固定を用いた方法などがあります。
④救済的手術
温存的手術を行っても再脱臼を起こしてしまう場合、変形性関節炎が強い場合、関節部の複雑な骨折がある場合など、関節を残すのが難しい場合には救済的な手術が行われます。
救済的手術としては大腿骨頭切除術(FHO)や股関節全置換術(THR)があります。