総合診療科
代表的な疾患は、胆嚢炎・胆石症・胆嚢粘液嚢腫・肝外胆管閉塞などです。これらは胆嚢の細菌感染や高脂血症、内分泌疾患(特に甲状腺、副腎)などに起因します。胆嚢での炎症が酷い場合は破裂することもあり、刺激物質である胆汁は腹腔内で強い炎症を引き起こし(腹膜炎)致命的になることもあります。また、胆石や粘液が”胆嚢から十二指腸につながる管(総胆管)”に詰まると黄疸を引き起こし、こちらも致命的になることがあります。
・画像診断(エコー、CT、レントゲン)
胆嚢の肥厚・胆石・粘液嚢腫に特有の所見を確認します。胆嚢破裂や細菌感染が肝臓に及んでいる場合(肝膿瘍)はCTによる評価が効果的なこともあります。
・腹水性状検査
胆嚢破裂の場合はお腹の中に水がたまり、この腹水中にビリルビンや炎症細胞が検出され、場合によって細菌が検出される場合もあります。
②外科治療
胆嚢炎・胆嚢粘液嚢腫・胆石症などの胆嚢に限局する病変であれば一般的に胆嚢摘出術が行われます。しかし、肝外胆管閉塞がありそれが解除できない場合や今後再閉塞のリスクがある場合は胆嚢十二指腸(空腸)吻合術が選択されます。また、総胆管の破綻がある場合は総胆管十二指腸吻合術が選択される場合もあります。これらの手術法に加え、術後に総胆管と十二指腸の開口部(大十二指腸乳頭)の狭窄が予測される場合は総胆管ステント設置術も併用する事があります。
手術を実施する際、病状が進行し血圧の低下がみられる場合や胆嚢破裂による腹膜炎が存在する場合は手術リスクが高くなることもありますので、健康診断による早期発見と早期治療が必要であると言えます。