プロフィール
日本猫、6歳、避妊雌
主訴
食欲がない、元気がない。
診断
かかりつけ病院での血液検査で肝酵素の上昇を認めたため追加でエコー検査を行ったところ、肝臓の右側に巨大な腫瘤を認めた。
その後、当院へ検査・治療のため紹介。
全身麻酔下でのCT検査(血管造影検査含む)とエコーガイド下FNA検査を行う。
CT検査の結果から肝臓の内側右葉に発生した巨大肝臓腫瘤、細胞診検査結果も合わせて肝細胞癌の疑いが強いと診断。
治療経過
電気メスや超音波乳化吸引装置などのデバイスを使用し、内側右葉の肝葉切除を行った。
門脈や後大静脈などの大血管はヘモクリップで処理。
術後は手術の出血や炎症によりやや貧血が起きた為、事前に保存していた自己血の輸血で対応した。
術後は上昇していた肝酵素(ALT、AST)も徐々に低下し、貧血も悪化はなかったため、術後5日目で退院。
1週間後の再診では経過良好、本人の食欲も改善した。
病理検査の結果は肝細胞癌であった。