献血ドナーについて
近年、獣医療の発展のおかげで、多くの病気が治療できるようになりました。ですが、出血が多かったり強い貧血を起こしていたりするときは、人の力だけでは助けることができないときがあります。どうぶつ同士が元気を譲り合う「輸血」は、獣医療の現場には必要不可欠です。当院では、輸血を必要としているどうぶつに十分な血液を提供し、1頭でも多くの命を救うことに全力を尽くします。わんちゃん・ねこちゃんの献血と、飼い主様のお気持ちが必要です。
犬 | 猫 | |
年齢 | 犬猫ともに1歳から8歳 | |
性別 | 犬猫ともに交配予定の無いオス 妊娠・交配経験のない避妊手術済みのメス |
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体重 | 20kg以上 | 3.5kg以上 |
予防 | フィラリア予防 混合ワクチン接種 ノミ・ダニ予防 を毎年行っている事 |
混合ワクチン接種 ノミ・ダニ予防 を毎年行っている事 |
飼育環境 | 屋内・屋外 | 完全屋内飼育のみ |
献血の流れ
① 献血日程のご相談
お電話にてお問い合わせ頂くか、またはご来院時にスタッフにお声掛け下さい。
② ご来院
ご都合の良い日程を調整し、ご来院いただきます。
③ 献血前検査
身体検査、血液検査、血液型検査、感染症検査などを行い、体調が万全であることを確認します。
※全ての検査費用は無料です。
④ 献血
献血時間は約30分〜50分です。
採血する量は、犬:20kg以上200〜400ml、猫:体重により35~60mlとなります。
⑤ 安静
献血終了後は点滴を行いながら安静にし、病院の中でしばらく様子を見ます。
⑥ ご帰宅
体調に問題がなければご帰宅し、ご自宅で引き続き様子を見ていただきます。
翌日スタッフより、様子伺いのご連絡をさせていただきます。
どうぶつの血液型のお話
わんちゃんの血液型
犬の血液型は13種類以上あると言われ、特にDEA1.1(+)型をDEA1.1(-)型に輸血すると拒絶反応が起こり危険です。そのため輸血時は事前に血液型を判定します。
ねこちゃんの血液型
猫の血液型はA、B、AB型の3種類あり、7〜8割の猫はA型です。輸血時はB型の猫にA型の血液を輸血すると強い拒絶反応が起こり危険です。
輸血が必要な病気
動物病院では多くの場面で輸血を必要としています。たとえば大量出血や重度の貧血時、また、出血が多く予想される手術の際には事前に準備しておく必要があります。
・急性の貧血(大量出血、免疫介在性溶血性貧血など)
・重度の慢性貧血(鉄の欠乏、持続的消化管出血など)
・血液を固める機能の異常(血友病、血小板減少症など)
・播種性血管内凝固 DIC:様々な病気の末期に発生
献血の御礼
献血にご協力頂いた方には、献血ごとに
・フィラリア予防薬(3ヶ月分)
・感謝状
・記念品
を差し上げています。
また、定期的に献血を実施していただくことで、献血の前に行う身体検査や血液検査を通し、わんちゃん・ねこちゃんの健康管理に役立てて頂くことができます。
ご協力方法
下記のメール又は電話にて、ご連絡ください。
MAIL:elms.donor@gmail.com
献血ドナーご協力いただいた患者様の写真を載せたインスタグラムページはこちらから
献血に関するQ&A
Q. 献血した後は普通に生活できますか?体調を崩したらどうしたらよいですか?副作用はありますか?
A. 基本的には普段通りの生活を送ることができますが、まれに体調が悪くなることがあります。普段と様子が違う場合は病院にご連絡ください。
Q. どのくらいの頻度で献血できますか?定期的に献血することもできますか?
A. 3ヶ月以上間隔を空けて頂ければ献血が可能です。血液には使用できる期限がありますので、定期的な献血にご協力をお願い致します。
Q. 献血は痛いですか?負担はありますか?
A. 通常の採血と同様に痛みはあまりありません。鎮静下で、うっすらと寝ている状態での採血ですので、負担もあまりありません。
Q. 採血によって感染するリスクはありますか?
A. 採血に使用する採血針や採血バッグは必ず毎回新しいものを使用しますので、感染の心配はありません。
Q.ドナーになるとメリットはありますか?
A. 血液検査と身体検査が無料で受診できます。定期的に病院に通う事で、病気の早期発見に繋がります。また、献血毎にフィラリア予防薬や記念品をお渡しさせていただきます。
Q. 輸血で助けてもらったので協力したいのですが、献血することはできますか?
A. 輸血を一度でも受けた事があるどうぶつの血液は、未知のウイルスに感染している可能性があるため、献血して頂くことはできません。安全性を可能な限り高めるため、ご理解下さい。